有給消化を拒否されても、年次有給休暇は原則として取得できます。
「退職前の有給を断られた」「休みに入れないと言われた」と悩む方もいるでしょう。
会社が年次有給休暇そのものを自由に拒否できるわけではありません。
ただし、一定の場合には取得時季を変更されることがあります。
さらに、局面ごとの対処を知っておくと、有給消化を拒否されたときに混乱しにくくなります。
そこで本記事では、有給消化を拒否された場合の対処法を整理します。
また、退職前の進め方や相談先も元人事の視点で解説します。
法律解釈について
本記事は一般的な制度を整理したものです。
そのため、個別の法的判断は公的窓口や専門家へ確認してください。
有給消化を拒否されたら最初に確認すること
有給消化を拒否されたとしても、年次有給休暇は一定の要件を満たすことで付与されます。
また、取得する時季は原則として労働者が指定します。
残日数と申請方法を整理する
まず、現在使える休暇の日数を調べましょう。
次に、会社所定の申請方法を確認します。
申請前に確認する6項目
- 残っている休暇の日数
- 希望する取得期間
- 社内で決められた申請方法
- 予定している退職日
- 勤務先から示された理由
- 申請記録の有無
勤務先からの説明を記録する
さらに、断られた理由も記録してください。
メールやチャットを保存する
具体的には、申請日と回答内容が分かる状態で残しておくと便利です。
なお、年次有給休暇の基本は、厚生労働省の年次有給休暇に関する資料でも確認できます。
会社は有給消化を拒否できるのか
年次有給休暇は、原則として指定した時季に与えられます。
したがって、有給消化を拒否できる制度ではありません。
有給の取得拒否と時季変更を分けて考える
一方で、会社には時季変更権が認められる場合があります。
これは、有給休暇そのものを消すための権利ではありません。
勤務先が何を求めているのか確認する
「休めない」と「別の日にしてほしい」は異なります。
そこで、休暇自体を認めないのか、取得日の変更なのかを切り分けましょう。
人手不足を理由に有給消化を断られた場合
たとえば、「人が足りない」と説明される場合があります。
しかし、それだけで当然に時季変更できるわけではありません。
希望日に休めない事情を聞く
そのため、具体的な理由や別の候補日を確認してください。
有給消化の拒否で問題になる時季変更権
時季変更権が認められる場面
時季変更権は、事業の正常な運営を守るための制度です。
職場の状況も判断材料になる
具体的には、休暇申請が同じ日に集中する場合などがあります。
また、職場の規模や代替要員の有無も考慮されます。
時季変更権は取得日を変更する仕組みです。
そのため、有給休暇そのものをなくす制度ではありません。
日程変更を求められた場合
変更理由と候補日をセットで確認する
まず、勤務先が希望する別の日を聞いてください。
そのうえで、自分の予定と両立できるか検討しましょう。
なお、回答は口頭だけで終わらせない方が安全です。
退職前の有給消化を拒否された場合はどうする?
この時期は、休暇取得をめぐる認識違いが起こりやすくなります。
たとえば、最終出勤後に残った休暇を取得するケースがあります。
退職日より後へ取得時季は移せない
在籍中であれば、残っている年次有給休暇を取得できます。
在籍終了後には変更先の日がない
しかし、勤務先が取得日を退職後へ移すことはできません。
そのため、退職日が近い場合は通常と事情が異なります。
退職予定者の年次有給休暇については、沖縄労働局の年休相談事例も参考になります。
円満退社に向けて先に準備する
一方で、業務の受け渡しも早めに進めると安心です。
担当業務と必要資料を一覧にする
具体的には、担当している仕事と資料をまとめます。
また、後任者へ伝える内容も整理しておきましょう。
3つの日程を明確にする
「有給を全部使ってから辞めたい」だけでは日程が曖昧です。
そこで、退職日・最終出勤日・休暇期間を分けて伝えましょう。
有給消化を拒否されたときの対処手順
希望どおりの回答がなくても、すぐに対立する必要はありません。
まず、事実関係を整理してから順番に進めましょう。
社内で進める4つの確認
残日数と申請記録を先に整える
1残日数を調べる
第一に、現在使える休暇の日数を確認します。
2書面で申請する
次に、希望日をメールなど記録に残る方法で伝えます。
回答内容を見て相談先を変える
3理由を聞く
続いて、取得拒否なのか時季変更なのかを確かめます。
4別の担当者へ相談する
さらに、解決しなければ人事や上位の責任者へ経緯を伝えます。
社内で解決しないときは外部へ相談する
第三者へ状況を伝える準備をする
5社外の相談先を利用する
最後に、公的窓口や専門家への相談を検討します。
相談時に用意しておく資料
- 現在使える休暇の日数
- 予定している退職日
- 申請を行った日付
- 勤務先から届いた回答
- メールやチャットの履歴
- 就業規則の該当箇所
そのため、相談前に経緯を時系列でまとめておくと便利です。
職場のトラブルについては、厚生労働省「総合労働相談コーナー」でも相談できます。
会社との退職手続きを自分で進めるのが難しい場合
話し合いだけでは解決しないケースもあります。
また、強い引き止めや金銭問題が加わる場合もあるでしょう。
公的窓口と専門家を使い分ける
一般相談と交渉が必要なケースを分ける
まず、一般的な労働問題なら公的相談窓口を利用できます。
一方で、勤務先との交渉が必要なら専門家への相談も選択肢です。
退職代行を検討する場面
直接のやり取りが難しい場合
たとえば、自分で勤務先と話すことに強い負担を感じるケースがあります。
その場合は、対応できる範囲を確認してサービスを選びましょう。
第三者へ退職手続きを任せる選択肢
ガイア総合法律事務所では、退職代行を提供しています。また、有給消化も相談内容として案内されています。
退職代行の対応範囲を見る※費用や対応可否は相談内容によって異なります。
有給消化を拒否されたときのよくある質問
繁忙期や人手不足の扱い
忙しい時期なら休暇を断られますか?
業務多忙だけで決まるわけではなく、時季変更権の要件を満たすかがポイントです。
退職予定日との関係
会社から退職後の日へ変更すると言われたら?
在籍終了後へ取得時季を移せないため、現在の退職予定日を基準に整理してください。
業務の受け渡しが残っている場合
担当業務が残っていると休めませんか?
残務があるだけで権利が消えるわけではありませんが、事前に資料を整えると調整しやすくなります。
外部の相談先を選ぶ
勤務先が応じない場合はどうすればよいですか?
公的相談窓口を利用でき、会社との交渉が必要なら専門家への相談も検討できます。
まとめ|有給消化を拒否されたら記録を残して対応する
まず現在の状況を整理する
申請から会社の回答まで記録する
最初に、残日数と退職予定日を確認してください。
次に、メールなどで申請記録を残します。
その後、取得拒否なのか時季変更なのかを整理しましょう。
そして、社内だけで解決しなければ外部相談を検討します。
20代は次の職場選びも見直す
求人条件だけでなく職場環境も確認する
一方で、退職後に転職する方は次の勤務先選びも重要です。
具体的には、労働環境や教育体制まで確認するとよいでしょう。
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