退職を伝えたあと、上司や同僚から「次はどこに行くの?」と聞かれて困っていませんか。答えるべきか、どう断ればよいか迷う人も多いでしょう。
退職時に転職先を言わないことは、失礼にはあたりません。必ず答える必要もないのです。むしろ、退職日までは伝えないほうがトラブルを避けやすいこともあります。そこで、転職先を言わなくていい理由と、角が立たない答え方を紹介します。
退職時に転職先を言わなくていい理由
会社に伝える義務はない
まず、転職先を会社に伝える義務は、一般的にありません。退職の手続きに必要なのは、退職の意思と退職日です。
なお、退職時に会社が出す証明書についての決まりは、労働基準法に定められています。条文はe-Gov法令検索の労働基準法で確認できます。
引き止めや詮索を防げる
次に、転職先を伝えると、引き止めの材料にされることがあります。例えば「その会社はやめたほうがいい」と言われるケースです。
取引先や同業の場合のトラブルを防げる
さらに、転職先が取引先や同業の会社の場合は、情報の持ち出しを疑われることがあります。退職前に転職先が広まると、残りの期間が働きにくくなるおそれもあります。
転職先を言わないときの答え方
転職先を言わない場合でも、ぶっきらぼうに断るのは避けましょう。そこで、やわらかい言い方で答えるのがおすすめです。
答え方の例
「まだ手続きの途中なので、落ち着いたらお伝えしますね。」
「同じ業界で、今までの経験を生かせる仕事です。」
「先方との約束で、入社までは控えさせてください。」
このように、業界や仕事の方向だけを伝えると、相手も納得しやすくなります。
相手別の答え方
| 相手 | 答え方のポイント |
|---|---|
| 上司 | 退職の手続きに必要な情報だけを伝える |
| 人事 | 手続き上必要なことには正直に答える |
| 同僚 | 業界や仕事の方向だけを伝える |
| 取引先 | 後任の紹介を中心にし、転職先には触れない |
特に、上司からしつこく聞かれた場合でも、答える義務はありません。退職の伝え方の流れは、退職を伝える時間帯とタイミングで解説しています。
転職先を伝えてもよいケース
一方で、転職先を伝えても問題ないケースもあります。
- まったく別の業界に移る場合
- 信頼できる上司に、個人的に伝えたい場合
- 退職日が過ぎて、関係が落ち着いた場合
とはいえ、伝える場合も、入社日が近づいてからにすると安心です。
競業避止の取り決めがある場合
入社時や退職時に、同業への転職を制限する誓約書を交わしていることがあります。その場合は、内容を確認しておきましょう。
ただし、誓約書があっても、すべての転職が制限されるわけではありません。不安な場合は、退職の交渉を進める前に確認しておくことが大切です。退職交渉の進め方は、円満退職のための退職交渉の進め方にまとめています。
転職先を聞かれたときのよくある質問
退職理由も言わなくていい?
退職理由は、一身上の都合として伝えれば十分です。とはいえ、上司との関係を保ちたい場合は、前向きな理由を短く伝えるのもよいでしょう。
嘘をついてもいい?
嘘の転職先を伝えるのは避けましょう。後で分かると、信頼を失う原因になります。答えたくない場合は、「控えさせてください」と伝えれば十分です。
退職後に聞かれたら?
退職後は、関係が落ち着いていれば伝えても構いません。ただし、前の会社の人に伝える必要はありません。
転職先を聞かれたときに避けたい対応
転職先を言わない場合でも、対応の仕方によっては関係がこじれることがあります。例えば、次のような対応は避けましょう。
- 「関係ないです」と突き放す
- 毎回違う答えをする
- 前の会社の悪口とあわせて話す
特に、突き放すような言い方は、残りの期間を気まずくする原因になります。そのため、やわらかい言い方を一つ決めておき、誰にでも同じように答えましょう。
退職後の関係も考えておく
退職後も、前の職場の人と仕事で関わることがあるかもしれません。例えば、同じ業界で働く場合です。
そこで、退職時の対応は、退職後の関係も考えて選ぶことが大切です。とはいえ、無理に転職先を伝える必要はありません。
このように、言わない理由をやわらかく伝え、感謝の気持ちを示しておけば、関係を保ちやすくなります。
退職の手続きで大切なのは、残りの期間を気持ちよく過ごし、引き継ぎをきちんと終えることです。転職先を伝えるかどうかは、そのための手段の一つにすぎません。自分が安心して退職日を迎えられる方法を選びましょう。答え方に迷ったら、今回の例文から自分に合うものを一つ選んで使ってみてください。同じ答え方を続ければ、周りもそれ以上は聞いてこなくなります。
退職日まで、普段どおりの態度で仕事を続けましょう。
まとめ|退職時に転職先は言わなくていい
- 転職先を会社に伝える義務は、一般的にない
- 伝えないほうが、引き止めやトラブルを避けやすい
- 答えるときは、業界や仕事の方向だけを伝える
- 嘘はつかず、「控えさせてください」とやわらかく断る
