面接NG行動とは、単に緊張したり、言葉に詰まったりすることではありません。企業が確認したい経験や仕事への適性を伝えられず、回答の信頼性まで下げてしまう行動です。
一方、旧記事で強調していた「笑顔が少ない」「回答を言い直した」といった点だけで、必ず不採用になるわけではありません。採用では、職務に必要な適性・能力を基準に判断することが基本です。
この記事では、元人事の視点から不採用につながりやすい7つの行動と、面接前に直す方法を具体的に解説します。
先に結論です。
面接NG行動で特に注意したいのは、質問を聞かずに暗記した回答を続けること、応募書類と矛盾すること、企業研究が不足したまま志望度だけを強調することです。
逆に、緊張して少し止まることや、回答を訂正することは致命的ではありません。質問の意図を確認し、事実に沿って具体的に答えることを優先してください。
面接NG行動を知る前に採用基準を確認する
まず、採用面接では見た目の明るさだけを評価するのではありません。また、企業は仕事内容を理解しているか、必要な経験を再現できるか、周囲と意思疎通できるかなどを確認します。
さらに、厚生労働省も面接の質問項目と評価基準について、職務遂行に必要な適性・能力を評価する観点から設定するよう案内しています。そのため、「常に笑顔なら合格」「声が小さいと即不採用」と単純化するのは適切ではありません。
過去に何を考え、どのように動き、どんな結果につながったか。
仕事内容と自分の経験を理解し、入社後の役割を説明できるか。
履歴書、職務経歴書、面接で話す内容に大きな矛盾がないか。
質問を聞き、必要に応じて確認しながら簡潔に回答できるか。
面接NG行動① 志望動機を使い回す
例えば、どの会社にも当てはまる志望動機では、応募先を選んだ理由が伝わりません。「成長したい」「理念に共感した」だけでは、ほかの企業でもよいと受け取られる可能性があります。
ただし、企業を褒め続ける必要はありません。事業や仕事内容のどこに関心を持ち、自分の経験をどう生かせるかまでつなげます。
志望動機は3つの要素で組み立てる
事業、商品、顧客、仕事の進め方など、具体的な接点を示します。
応募職種で再現できる経験や工夫を一つ選びます。
最初に何を覚え、どの役割で力を発揮したいかを伝えます。
退職理由と応募理由が反対方向になっていないか確認します。
「御社の理念に共感し、成長できると感じたため志望しました」
「法人顧客の課題を継続的に支援する営業体制に関心を持ちました。前職の既存顧客への改善提案経験を生かし、導入後の利用拡大にも貢献したいと考えています」
面接NG行動② 暗記した回答を一方的に話す
一方、回答を準備すること自体は問題ありません。しかし、一字一句を暗記すると、質問が少し変わっただけで答えがずれやすくなります。
さらに、長い回答を止めずに話すと、質問を聞いていない印象につながります。つまり、面接は発表会ではなく、応募者と企業が情報を確認する対話です。
結論・理由・具体例の順で短く答える
まず、結論を一文で伝えます。次に理由を説明し、必要な場合だけ具体例を加えましょう。一度の回答は、まず30秒から1分程度を目安にすると会話を続けやすくなります。
「確認ですが、現在の仕事で工夫した点についてお答えすればよろしいでしょうか」と聞き返して問題ありません。ずれた回答を長く続けるより、意図を確認するほうが対話として自然です。
面接NG行動③ 履歴書と回答が矛盾する
また、勤務期間、担当業務、退職理由、実績などが応募書類と大きく異なると、回答全体の信頼性が下がります。数字や固有名詞を盛ることも避けてください。
一方、書類を提出してから説明を補足したい点が出ることはあります。その場合は、「書類では簡略化しましたが」と前置きし、事実関係を明確に説明しましょう。
- 在籍期間と雇用形態が履歴書と一致している
- 実績の数字を説明できる
- 転職理由と志望動機につながりがある
- 短期離職や空白期間を事実に沿って話せる
- 守秘義務に反する社名・顧客情報を話さない
履歴書の書き方と経歴のまとめ方も面接前に確認してください。
面接NG行動④ 企業研究をせず条件だけ質問する
もちろん、給与や休日を確認することは重要です。ただし、仕事内容への理解を示さないまま、条件面の質問だけを続けると、仕事への関心が伝わりにくくなります。
まず、採用ページ、求人票、事業内容を確認します。その後、公開情報では分からない配属後の役割、評価方法、チーム体制を質問しましょう。
逆質問は仕事内容と条件を分ける
| 確認する内容 | 質問例 | 目的 |
|---|---|---|
| 入社後の役割 | 入社後3か月で期待される業務を教えてください | 仕事内容の認識を合わせる |
| 評価基準 | この職種では、どのような成果や行動が評価されますか | 活躍条件を確認する |
| 配属体制 | 配属予定チームの構成と連携方法を教えてください | 働き方を具体化する |
| 労働条件 | 提示年収に含まれる固定残業代と賞与の扱いを確認できますか | 書面条件と認識を合わせる |
応募先の選考傾向を確認する
さらに、面接前には企業ごとの選考体験談、質問例、社員クチコミも参考になります。回答を丸写しするのではなく、何を確認されやすいかを把握し、自分の経験に置き換えて準備してください。
※掲載情報は投稿者の経験や回答時点に基づくものを含みます。現在の選考内容、選考通過、内定を保証するものではありません。
面接NG行動⑤ 前職への不満だけを話す
一方、退職理由として仕事内容、人間関係、給与への不満があることは珍しくありません。しかし、不満だけで終わると、次の会社でも同じ問題が起きるのではないかと懸念されます。
そこで、事実を短く説明した後、自分が改善を試みたこと、転職先で実現したい条件へつなげましょう。前職の上司や同僚を強い言葉で批判する必要はありません。
「上司が自分を評価せず、会社にも将来性がないので辞めたいです」
「現職では担当範囲が固定されており、改善提案を実行する機会が限られていました。業務改善まで担当できる環境で経験を広げたいと考えています」
面接NG行動⑥ 遅刻・無断欠席・連絡不足
また、交通機関の遅延や体調不良は誰にでも起こり得ます。問題は、遅れる可能性が分かった後も連絡しないことです。
遅刻しそうな場合は、判明した時点で採用担当者またはエージェントへ連絡します。到着見込みと謝罪を簡潔に伝え、面接を続けられるか指示を確認してください。
「本日14時から面接予定の〇〇です。電車遅延により、到着が14時10分頃になる見込みです。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。予定どおり伺ってよろしいでしょうか」
さらに、オンライン面接でも通信状況、表示名、マイク、背景を事前に確認します。開始直前の接続不良へ備え、緊急連絡先も控えておきましょう。
面接NG行動⑦ 虚偽や過度な誇張をする
ただし、資格、役職、売上実績、マネジメント人数などを事実より大きく話すと、追加質問で説明できなくなります。また、入社後に業務を任せられた際、期待とのずれが生じます。
そのため、実績に自信がない場合は成果の大きさだけで競う必要はありません。担当した役割、工夫した行動、周囲との連携を具体的に伝えてください。
守秘義務にも注意:顧客名、個人情報、未公開の売上、社内資料などを面接で見せることは避けます。実績は、特定されない範囲の比率や業務内容へ置き換えましょう。
緊張や言い直しは必ずしも面接NG行動ではない
なお、面接で緊張することは自然です。また、少し沈黙したり、言葉を選び直したりしても、それだけで能力がないとは判断できません。
むしろ、分からない質問に対して無理に答えるより、「少し考える時間をいただけますか」と伝えたほうが誠実です。また、回答の間違いに気づいた場合は、その場で訂正してください。
- 質問を聞いてから数秒考える
- 言葉に詰まった後、回答を続ける
- 質問の意味を確認する
- 回答を簡潔に訂正する
- 常に満面の笑顔ではなくても、相手を見て落ち着いて話す
元人事の見方:流暢さだけよりも、質問を理解し、事実に沿って回答しようとする姿勢を確認します。話す速さや笑顔の量だけで、自分を過度に追い込まないでください。
面接NG行動を防ぐ前日チェック
- 求人票と企業の採用ページを読み直した
- 志望動機を応募先の仕事内容へ結びつけた
- 転職理由と志望動機に矛盾がない
- 職務経歴書の数字と担当業務を説明できる
- 自己紹介を1分程度で話せる
- 具体例を3つ準備した
- 逆質問を3つ準備した
- 面接時刻、場所、接続URL、担当者名を確認した
- 遅刻や通信不良時の連絡先を控えた
面接前日の準備については、転職面接の前に準備することを確認してください。
面接で不適切な質問を受けたとき
一方、面接官から家族の職業、思想・信条、本人に責任のない事項など、仕事の適性・能力に関係しない質問を受ける場合があります。厚生労働省は、こうした事項を把握することは就職差別につながるおそれがあると案内しています。
そのため、答えにくい場合は「業務に関係する範囲でお答えしてもよろしいでしょうか」と返し、仕事内容へ話を戻す方法があります。不安が残る場合は、利用中のエージェントや最寄りのハローワークへ相談してください。
自分では回答のずれや説明不足に気づきにくい場合があります。転職AGENT Naviでは、希望や相性を踏まえて相談先となる転職アドバイザーを探せます。担当者が決まったら、応募先に合わせた面接準備をどこまで受けられるか確認しましょう。
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面接NG行動に関するよくある質問
笑顔が少ないと不採用になりますか?
まず、笑顔が少ないことだけで必ず不採用になるとは限りません。ただし、相手の質問に反応せず、視線や声が極端に届かない場合は、意思疎通への懸念につながる可能性があります。
回答を一度間違えたら訂正してもよいですか?
また、訂正して問題ありません。「先ほどの回答を一部訂正させてください」と伝え、正しい内容を簡潔に説明しましょう。
退職理由は本音を隠すべきですか?
一方、事実と異なる説明をする必要はありません。ただし、不満の詳細を長く話すのではなく、転職によって何を変えたいかまで伝えます。
面接対策は何社分準備すればよいですか?
まず、共通する経験や実績を整理し、志望動機、仕事内容への理解、逆質問は企業ごとに調整します。すべてを一から作り直す必要はありません。
まとめ|面接NG行動は暗記より対話を意識して直す
最後に、面接NG行動を防ぐには、完璧な回答を暗記するより、質問を聞き、事実に沿って簡潔に答えることが重要です。
まず、志望動機、転職理由、職務経歴の一貫性を確認します。次に、応募先の仕事内容を調べ、具体例と逆質問を準備してください。
緊張や言い直しだけで、必要以上に落ち込む必要はありません。企業と自分の認識を合わせる場として、落ち着いて対話することを目指しましょう。


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