退職が決まると、「挨拶メールはいつ送る?」「取引先にも連絡する?」と迷うことがあります。社内と取引先では、伝える時期も内容も少し異なります。
退職の挨拶メールは、社内には最終出社日の終業前、取引先には引き継ぎに間に合う時期に送るのが基本です。ただし、社外への連絡は上司や会社の方針を優先してください。
そこで、この記事では、社内・取引先向けの例文と、送る範囲、後任者の紹介方法を元人事の視点で整理します。そのまま使える短い文例も紹介します。
退職の挨拶メールはいつ送る?相手別の目安
送信のタイミングは、相手との関係や社内の引き継ぎ状況によって変わります。まずは一般的な目安を確認しましょう。
| 送る相手 | タイミングの目安 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 社内の同じ部署 | 最終出社日の終業1〜2時間前 | 先に上司やチームへ退職が共有されているか |
| 社内の他部署 | 最終出社日の午後 | 仕事で関わった相手を中心に送るか |
| 取引先 | 最終出社日の1〜2週間前を一つの目安に | 会社が定めた社外への通知時期と後任者の準備状況 |
社内向けを終業直前に送ると、返信を読む余裕がなくなります。少し早めに送れば、相手もお礼を返しやすくなります。
一方、取引先には、後任の紹介や案件の引き継ぎも必要です。そのため、最終出社日を待たずに連絡するケースがあります。
退職の挨拶メールを送る範囲
退職の挨拶メールは、日頃から仕事で関わった人を中心に送ります。全社員への一斉送信が必要とは限りません。
- 同じ部署やチームのメンバー
- 日常的によく連携していた他部署の人
- 自分が担当していた取引先の窓口担当者
会社によっては、送信範囲や退職の公表順序にルールがあります。そのため、迷ったら上司に確認しましょう。
また、取引先への連絡は会社を代表する業務連絡でもあります。個人的な挨拶だけでなく、今後の対応に支障が出ないことが大切です。
退職の挨拶メールに書く内容・書かない内容
書いたほうがよいこと
- 退職日または最終出社日(混同しないよう明記)
- これまでの協力へのお礼
- 取引先向けの場合は後任者と今後の連絡方法
- 社内向けの個人連絡先は、必要で公開してもよい場合のみ
書かないほうがよいこと
退職理由を詳しく説明する必要はありません。社内向けでは「一身上の都合により」などの簡潔な説明で十分です。
また、会社や同僚への不満を書かないようにしましょう。転職先の社名を公開する必要もありません。
一方、取引先向けでは、退職後の業務窓口が分かることを優先します。個人のメールアドレスを新たな業務連絡先として案内することは避けましょう。
退職の挨拶メール例文|社内・取引先向け
メールは長くする必要はありません。お礼と必要事項を簡潔に伝えれば、相手も内容を把握しやすくなります。
社内向け|最終出社日に送る例文
件名:退職のご挨拶(氏名)
〇〇部の皆様
お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。
私事で恐縮ですが、一身上の都合により〇月〇日付で退職することとなり、本日が最終出社日となりました。
在籍中は大変お世話になり、ありがとうございました。皆様のおかげで、多くのことを学ぶことができました。
末筆ながら、皆様のご健康と今後のご活躍を心よりお祈りしております。
〇〇部 氏名
なお、正式な退職日と最終出社日が違う場合は、上のように両方を記載すると誤解を防げます。
取引先向け|後任者を紹介する例文
件名:退職のご挨拶と後任担当者のご案内(株式会社〇〇・氏名)
株式会社△△
〇〇部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
私事で恐縮ですが、このたび〇月〇日付で退職することとなりました。これまで格別のご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。
今後の貴社ご担当業務につきましては、弊社〇〇部の△△が引き継ぎます。
後任担当:△△ △△
所属:〇〇部
連絡先:会社指定の電話番号・メールアドレス
必要な引き継ぎは社内で進めております。今後のお問い合わせは、後任の△△までお願いいたします。
引き続き弊社をご愛顧賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。末筆ながら、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。
株式会社〇〇
〇〇部 氏名
また、後任の氏名・連絡先を載せる前に、本人と上司の確認を取ってください。連絡窓口が未確定の場合は、無理に担当者名を書かず、会社が指定する窓口を案内します。
後任者はCCに入れればよい?
後任者と上司の了解があり、会社の運用に合う場合はCCに入れる方法があります。ただし、CCに入れるだけで引き継ぎが済むわけではありません。進行中の案件や次回の連絡予定も、事前に後任へ共有しておきましょう。
取引先向け|後任者がまだ決まっていない場合
社外への連絡時点で後任が未定なら、上司に相談して窓口を決めてください。会社が了承している場合は、次のように記載できます。
退職後のご連絡につきましては、当面の間、弊社〇〇部(電話:〇〇、メール:〇〇)が承ります。後任担当者が決まり次第、改めてご案内申し上げます。
※取引先への退職連絡自体を会社や上司が行う場合は、その指示に従ってください。
退職メールの後に確認したいこと
最終出社日には、貸与品の返却や書類の受け取りも残っています。必要な書類は、退職時にもらう書類のチェックリストで確認してください。
また、退職の切り出し方や引き継ぎの進め方は、円満退職のための退職交渉の進め方で整理できます。
ただし、返信をもらっても、全員に個別返信する必要はありません。ただし、重要な業務連絡が届いた場合は、退職前に後任者へ引き継ぎましょう。
退職の挨拶メールでよくある質問
最終出社日の後に有給消化がある場合は?
通常は最後に出社する日に社内向けの挨拶をします。正式な退職日が後日なら「〇月〇日付で退職、本日が最終出社日」と分けて記載してください。社外への連絡時期は引き継ぎ状況に合わせて調整します。
BCCで一斉送信してもいいですか?
会社のルールに反しなければ、社内の多数の相手へBCCで送る方法もあります。ただし、取引先への一斉送信では宛先の取り違えに注意が必要です。社内向けと社外向けのメールは必ず分けてください。
退職メールは上司に確認してから送るべきですか?
送る範囲や時期は事前に確認するのがおすすめです。特に取引先には、会社が定めた公表順序と引き継ぎ方針があります。上司が先に伝える場合もあるため、本人の判断で先行しないようにしましょう。
退職後の個人連絡先は書くべきですか?
必須ではありません。社内の親しい相手に知らせたい場合は、会社のルールや相手との関係を考えて判断してください。取引先への業務連絡は、原則として会社が案内する後任者や窓口へ引き継ぎます。
取引先へはメールだけでよいですか?
取引の重要度や関係によって異なります。重要な案件の担当者には、メールの前後に電話やオンライン会議で挨拶する場合もあります。上司と後任者に確認し、相手の負担にならない方法を選びましょう。
退職メール以外の挨拶の仕方
退職の挨拶は、メールだけでなく直接伝える方法もあります。相手との関係に合わせて選びましょう。
- 特にお世話になった上司や先輩には、直接お礼を伝える
- 朝礼や会議の場で短く挨拶する
- 在宅勤務が中心なら、会社で使用するチャットを活用する
菓子折りを配るかどうかは、職場の習慣によります。無理に用意する必要はありません。
退職の挨拶メールを送る前のチェックリスト
最終出社日は片付けや手続きで忙しくなります。そのため、前日までに下書きと宛先を用意しておくと安心です。
- 退職の公表時期と送信範囲を上司に確認した
- 最終出社日と正式な退職日を書き分けた
- 社内向け・取引先向けを別々のメールにした
- 取引先向けの後任者名と連絡先を確認した
- 進行中の案件を後任者へ共有した
- 宛先・CC・BCCに間違いがないか確認した
- 会社の規程に反する個人情報や機密情報を記載していない
最後に、送信後は届いた返信を確認してから退社すると安心です。取引先から業務上の返信が来た場合は、後任者や上司へ共有しておきましょう。
まとめ|退職の挨拶メールは時期と相手で使い分ける
- 社内向けは、最終出社日の終業前に余裕を持って送る
- 取引先には、上司と相談して引き継ぎに間に合う時期に伝える
- 取引先向けは、後任者と今後の連絡先を明確にする
- 退職理由や不満は詳しく書かず、お礼を中心に短くまとめる
- 社内向けと社外向けを分け、送信前に宛先を確認する
退職の挨拶は、これまでの感謝を伝える最後の機会です。相手が次の仕事を進めやすいよう、落ち着いて準備しましょう。

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