SESからSIerへ転職したいものの、「今の客先常駐経験で通用するのか」と不安になる人は少なくありません。
ただし、転職で重要なのは「SESかSIerか」より、これまで何を担当し、次にどの工程へ進みたいかです。
この記事では、SES経験の活かし方、SIer求人の見方、志望動機、面接対策を元人事の視点から整理します。
SESからSIerへ転職できる?先に結論
現在のSES経験は、SIerへの転職でも活かせます。
開発なら担当工程、運用保守なら障害対応や改善、インフラなら設計・構築・運用の範囲を整理してください。
そのうえで、応募先の担当工程・勤務場所・商流が自分の希望と合うかを確認します。
転職前に整理したいSESとSIerの違い
両者は単純な対立関係ではない
SESでは顧客プロジェクトへ技術支援として参加する働き方があります。
一方、SIerはシステムの設計・開発・導入・運用などを担う企業を指すことがあります。
ただし、SIerが技術支援を行ったり、社員が顧客先で勤務したりするケースもあります。
SIerへ移っても客先常駐がなくなるとは限らない
「SIer=自社勤務」「SIer=必ず上流工程」と考えるのは避けてください。
求人では会社名より、入社後の担当工程と勤務場所を見る方が重要です。
客先常駐を離れることが目的なら、SIerという名称だけでは判断できません。
自社勤務の割合、顧客先勤務の有無、配属予定のプロジェクトまで確認しましょう。
SESからSIerへ転職するとき活かせる4つの経験
開発・テスト経験は担当工程まで整理する
「Java経験3年」のように技術名だけを書くのではなく、詳細設計・実装・テスト・不具合修正など、自分が担当した工程を明確にします。
Javaを使った業務システム開発で、詳細設計・実装・単体テスト・結合テストを担当。既存機能の不具合調査と改修にも対応。
運用保守・障害対応も実務経験になる
運用保守では「監視だけ」とまとめず、ログ調査、一次切り分け、設定変更、手順改善、再発防止など実際の担当範囲を整理します。
インフラ経験は設計・構築・運用を分ける
AWSやLinuxなどの技術名だけではなく、「EC2とCloudWatchを使った監視運用」など、実際に扱った範囲を説明してください。
なお、経験していない設計や構築まで書く必要はありません。
顧客対応・チーム連携も材料になる
仕様確認、進捗報告、障害報告、定例会、レビュー、後輩支援などもSIer求人との接点になります。
「顧客折衝」と大きく見せるより、自分が実際に行った確認や報告を具体化してください。
SESからSIerへ転職する求人で確認したい7項目
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 担当工程 | 設計・開発・テスト・運用のどこを担当するか |
| 入社直後の仕事 | 中途入社者が最初に任される工程 |
| 勤務場所 | 自社・顧客先・リモートの割合 |
| 商流 | 顧客との距離やプロジェクト内での立場 |
| チーム体制 | 自社社員の人数と役割 |
| キャリア | 設計・PL・PMなどへ進む流れ |
| 評価制度 | 技術・役割・成果を何で評価するか |
特に「上流工程あり」という言葉だけで判断しないことが重要です。
会社として上流工程を扱っていても、自分が入社直後から担当できるとは限りません。
SESからSIerへ転職する職務経歴書と志望動機
職務経歴書はプロジェクト全体と自分の担当を分ける
案件全体では要件定義からリリースまで行っていても、自分の担当が実装とテストなら、その範囲を正確に書きます。
採用側が知りたいのは「案件が何をしていたか」より「本人が何を担当したか」です。
志望動機は「SESを辞めたい」で終わらせない
志望動機は、現在の経験→次に広げたい工程→応募企業との接点、の順で作ると整理しやすくなります。
現職ではJavaを使った業務システム開発で、詳細設計から結合テストまで経験しています。今後は顧客の要望を踏まえた設計にも担当範囲を広げたいと考え、設計から開発まで自社チームで担当する案件がある御社を志望しました。
客先常駐を辞めたい理由は次のキャリアへつなげる
常駐への不満を隠す必要はありませんが、不満だけでは次の転職理由になりません。
「一つのプロジェクトへ継続して関わりたい」「設計まで担当範囲を広げたい」など、次に実現したい仕事まで伝えます。
SESからSIerへの面接で準備したい3つの質問
「担当工程を教えてください」
まず、プロジェクト全体ではなく、自分がどこからどこまで担当したかを答えます。
「顧客とどのように関わりましたか?」
仕様確認、進捗報告、障害報告など、実際に行った内容を答えます。リーダー経由なら、その流れを正確に説明します。
「なぜSIerへ転職したいのですか?」
ここでは会社分類ではなく、「設計へ進みたい」「顧客のシステム開発へ長く関わりたい」など仕事内容から答えてください。
SIerだけに絞る前に次のキャリアを比較する
客先常駐を離れたい場合でも、転職先をSIerだけに限定する必要はありません。
顧客システムの設計・開発へ関わりたいならSIer、自社サービスを継続して開発したいなら自社開発、利用部門に近い立場なら社内SEも候補です。
会社分類より、「次に何を担当したいか」で比較してください。
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転職前に避けたい3つの思い込み
SIerなら必ず上流工程へ進める
担当工程は企業・部署・案件・本人の経験によって異なります。入社後に最初に担当する仕事を確認してください。
客先常駐が必ずなくなるとは限らない
SIerでも顧客先で勤務するプロジェクトがあります。自社勤務を希望する場合は事前確認が必要です。
大手企業だから自分に合うとは限らない
企業規模より担当工程や配属先を優先してください。同じ企業でも部署によって仕事内容は変わります。
転職前によくある質問
SESからSIerへ転職するのは難しいですか?
難易度は現在の経験と求人によって異なります。まず担当工程を整理し、自分の経験と接点がある求人から比較してください。
運用保守経験だけでもSIerを目指せますか?
運用や保守を含む求人であれば接点を作れる場合があります。障害対応、ログ調査、設定変更、手順改善などを整理しましょう。
上流工程は入社後すぐ担当できますか?
必ず担当できるとは限りません。「上流工程あり」だけで判断せず、中途入社者が最初に担当する工程を確認してください。
SES経験は職務経歴書でどう書きますか?
期間、担当工程、使用技術、役割、成果を案件単位で整理します。プロジェクト全体と自分の担当範囲を分けることが重要です。
まとめ|転職先は会社分類より担当工程で選ぶ
SESからSIerへ転職するときは、SESを離れること自体をゴールにしないことが重要です。
- 現在の担当工程を整理する
- 開発・運用・インフラ経験を具体化する
- 顧客対応やチーム経験も整理する
- SIer求人の担当工程と勤務地を確認する
- 入社直後に何を担当するか確認する
- 志望動機は次に経験したい仕事へつなげる
- SIer以外のキャリアも仕事内容で比較する
最終的には「SESからSIerへ行く」ことより、次の職場でどの工程を積み上げられるかを基準に選びましょう。
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