転職理由のNG例には、「給料が低い」「上司と合わない」といった本音そのものではなく、採用側に不安を与えやすい伝え方があります。
給与、人間関係、残業、評価への不満から転職を考えることは珍しくありません。
ただし、不満だけで話を終えると、人事は 「同じ理由でまた辞めないか」 を確認したくなります。
この記事では元人事の視点から転職理由のNG例と、書類・面接での言い換え方を整理します。
- 本音そのものより「伝え方」で評価が変わる
- 前職の悪口だけで終わらせない
- 自分が取った行動も整理する
- 次の会社選びで何を変えるかまで説明する
- 事実と違うポジティブ理由を作る必要はない
転職理由のNG例で人事が確認する3つのポイント
転職理由のNG例に共通するのは、前職への不満があることではありません。
採用側が知りたいことが分からないまま話が終わる点です。
-
他責だけで終わっていないか
会社や上司への批判だけになっていないかを確認します。 -
本人なりの対応があるか
相談や改善など、状況を変えるために取った行動を見ます。 -
応募先を選ぶ理由につながるか
退職理由と志望動機に一貫性があるかを確認します。
元人事の視点
採用担当者は、前職の会社が良かったか悪かったかを判定する立場ではありません。
むしろ、 同じ問題が起きたときにどう考え、行動する人か を確認します。
転職理由のNG例1|「給料が低い」だけで終わらせる
給与への不満を理由に転職すること自体は不自然ではありません。
しかし「給料が安いから辞める」だけでは、今後の方向性が見えにくくなります。
給与への不満は経験と役割につなげる
仕事量が多いのに給料が低く、評価されなかったため転職を決めました。
これまで担当範囲を広げ、〇〇の改善にも取り組んできました。今後は経験をさらに生かせる役割に挑戦し、成果や責任に応じて評価される環境で専門性を高めたいと考えています。
給与の話を隠す必要はありません。
まず 自分が担ってきた仕事や成果 を整理し、次に担いたい役割へつなげます。
転職理由のNG例2|人間関係の不満をそのまま伝える
上司や同僚との関係が、退職のきっかけになるケースもあります。
ただ「上司が嫌だった」「職場の雰囲気が最悪だった」だけでは状況が伝わりません。
人間関係は仕事の進め方まで整理する
上司の指導が厳しく、人間関係も悪かったため退職しました。
現職では個人で業務を進める場面が多い環境でした。私は周囲と情報を共有しながら進める仕事で成果を出してきました。今後はチームで協力できる環境で経験を生かしたいと考えています。
事実と異なる理由を作る必要はありません。
一方で、 相手への批判を長く続ける より、必要な事実と希望する働き方を整理した方が伝わります。
転職理由のNG例3|「成長したい」だけで具体性がない
「もっと成長したい」という考え自体は問題ありません。
ただし、何を伸ばしたいのか分からなければ、応募先との接点も見えません。
過去の経験から次に挑戦する仕事へつなげる
現在の仕事では成長できないため、もっとやりがいのある会社へ転職したいです。
現職では〇〇業務を担当し、△△の改善に取り組んできました。その経験から、今後は□□の領域まで担当したいと考えています。応募先では□□事業に注力されているため、これまでの経験を生かして領域を広げたいと考えました。
ポイントは、 「成長したい」を仕事内容へ変える ことです。
転職理由のNG例4|条件だけを理由にする
通勤時間、休日、残業、勤務時間などは、転職先を選ぶうえで重要です。
ただし条件だけを前面に出すと、仕事内容への関心が伝わりにくくなります。
条件と長く働ける理由をつなげる
残業を減らしたい場合でも「楽をしたい」と説明する必要はありません。
今の働き方で何が難しいのかを整理し、 どのような環境なら経験を継続して生かせるか を説明します。
必要な勤務条件は隠さない ことも大切です。
勤務時間などに外せない条件がある場合、曖昧なまま入社すると再びミスマッチにつながります。
短期離職で注意したい転職理由のNG例
短期離職では、通常より 「また同じことを繰り返さないか」 を確認されやすくなります。
会社選びで変えたことまで説明する
入社してみたら思っていた会社と違ったので、すぐに転職することにしました。
入社前に仕事内容を十分確認できておらず、実際の業務との間に認識差がありました。今回は同じことを繰り返さないよう、担当業務や配属、評価基準まで確認したうえで応募しています。
すべてを自分の責任として説明する必要はありません。
ただし、 今回の会社選びで何を変えたか まで伝えると、再発防止の考え方が見えます。
書類と面接では転職理由の伝え方を少し変える
書類と面接で、退職理由そのものを変える必要はありません。
ただし、説明する情報量は変えます。
書類は今後の方向性を簡潔に示す
職務経歴書では事情を長く書くより、次に目指す方向を簡潔に示します。
面接では背景と行動を補足する
面接では、必要に応じて背景や自分が取った行動を補足します。
| 確認項目 | 書類 | 面接 |
|---|---|---|
| 退職の背景 | 必要最小限 | 質問された範囲で補足 |
| 自分の行動 | 重要部分だけ | 具体的に説明 |
| 今後の方向性 | 明確に記載 | 応募先との接点まで説明 |
| 不満・トラブル | 詳細を書きすぎない | 感情より事実を中心にする |
転職理由のNG例を自然な伝え方へ変える3ステップ
ステップ1|転職したい本当の理由を書く
給与、人間関係、仕事内容、残業、評価など、実際に気になっていることを書き出します。
この段階では、人に見せる文章にする必要はありません。
ステップ2|自分が取った行動を確認する
上司へ相談した、改善を試した、異動を希望したなど、自分が対応したことを整理します。
何もできなかった事情がある場合は、 行動を作り話にしない でください。
ステップ3|次の会社で実現したいことへつなげる
最後に、 「だから次の会社では何を重視するのか」 を整理します。
応募先の仕事内容とつながれば、転職理由から志望動機まで一貫しやすくなります。
転職理由を整理する基本形
前職で感じた課題 → 自分が取った行動 → 転職を決めた理由 → 応募先で実現したいこと
20代・第二新卒は転職理由を作り込みすぎない
20代や第二新卒では、転職理由と志望動機が混ざりやすくなります。
特に短期離職を気にすると、自分を必要以上に悪く説明してしまうことがあります。
そこで、 退職理由・応募理由・入社後にやりたいこと を分けて整理してください。
20代・第二新卒で、短期離職の説明や転職理由を一人で整理しにくい場合は、 第二新卒エージェントneoの書類・面接支援を確認する 方法もあります。
※対象年齢、対応地域、紹介求人、支援内容などは経歴や希望条件、採用状況によって異なります。求人紹介、選考通過、内定、転職成功を保証するものではありません。
転職理由は嘘でポジティブに変える必要がない
転職理由のNG例を避けることと、事実とは違う理想的な話を作ることは別です。
書類と面接で説明が変わると、採用側は内容の整合性を確認したくなります。
本音を別の理由へ置き換えるのではなく、 本音の中から伝えるべき事実を選ぶ ことが大切です。
単なるポジティブ変換では弱い
「不満があった」を「成長したい」に変えただけでは、理由が抽象的になります。
経験や行動を加えることで、転職理由に具体性が出ます。
次の会社選びまで転職理由とセットで考える
転職理由を上手に説明できても、次の会社で同じ問題が起きればミスマッチにつながります。
前職で困ったことを、 次の求人で確認する条件 へ変えてください。
- 仕事内容が原因なら、具体的な担当業務を確認する
- 評価が原因なら、評価基準や昇給方法を確認する
- 残業が原因なら、繁忙期や実際の働き方を確認する
- 人間関係が原因なら、チーム構成や仕事の進め方を確認する
- 配属が原因なら、入社時の配属先と変更範囲を確認する
転職理由のNG例についてよくある質問
Q1.給与が理由なら「給料が低い」と言ってはいけませんか?
給与が理由であることを隠す必要はありません。ただし、給与だけで終わらせず、担当業務や成果、今後担いたい役割まで整理すると伝わりやすくなります。
Q2.人間関係が理由なら別の理由を作るべきですか?
別の理由を作る必要はありません。相手への批判だけにせず、どのような働き方を希望しているのかまで説明してください。
Q3.短期離職を正直に話すと不利ですか?
短期離職だけで一律に決まるわけではありません。採用側は退職理由に加え、今回の会社選びで何を変えたのかも確認します。
Q4.職務経歴書に退職理由を書く必要がありますか?
すべての事情を長く記載する必要はありません。経歴上の説明が必要なら簡潔に示し、経験や今後の方向性を中心に整理します。
Q5.転職理由と志望動機は同じですか?
役割は異なります。転職理由は「なぜ環境を変えるのか」、志望動機は「なぜその会社を選ぶのか」を中心に説明します。
まとめ|転職理由のNG例は本音より「伝え方」を見直す
転職理由のNG例を避けるために、前職への不満をすべて隠す必要はありません。
まず退職を考えた原因を整理します。
次に、 自分が取った行動 と、次の会社で実現したいことを確認します。
給与、人間関係、残業、評価などが本音でも、 経験と次の行動を加える ことで伝わり方は変わります。
そして、同じ問題を繰り返さないよう、次の求人では必要な条件まで確認してください。
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