中途入社したあと、前の職場のやり方のほうが効率的だと感じることはありませんか。とはいえ、伝えると角が立ちそうで、黙っている人も多いでしょう。
中途入社で前職のやり方を伝えること自体は、悪いことではありません。大切なのは、伝えるタイミングと言い方です。そこで、前職のやり方を提案する前に確認したいことと、受け入れられやすい伝え方を紹介します。
中途入社で前職のやり方を伝えるのは悪いこと?
会社が中途採用をする理由の一つは、外からの視点を取り入れたいからです。そのため、前職の経験を生かした提案は、歓迎されることもあります。
一方で、次のような伝え方は、反発を招きやすくなります。
- 「前の会社ではこうでした」と何度も言う
- 今のやり方を否定する言葉から始める
- 入社してすぐに、大きな変更を求める
「前の会社では」が口ぐせになると、今の職場を見下していると受け取られることがあります。
提案する前に確認したいこと
今のやり方の理由
まず、今のやり方がなぜそうなっているのかを確認しましょう。例えば、取引先の都合や、過去の失敗から決まった手順かもしれません。
職場の優先順位
次に、職場が何を大切にしているかを知ることも必要です。効率よりも、確認の正確さを重視している職場もあります。
自分の信頼の積み重ね
さらに、提案するのは、ある程度仕事を任されるようになってからが無難です。なぜなら、信頼がある人の提案のほうが、受け入れられやすいからです。
提案のタイミングの目安
| 入社後の時期 | 考え方 |
|---|---|
| 1か月目 | 今のやり方を覚えることに集中する |
| 2〜3か月目 | 気づいたことをメモにためておく |
| 3か月目以降 | 小さな改善から提案してみる |
このように、まずは今のやり方を知ることから始めましょう。前職と比べてしまう気持ちの整理は、前の職場と比べてしまうときの考え方で解説しています。
角が立たない提案の仕方
質問の形で始める
いきなり提案するより、質問の形で始めると自然です。
伝え方の例
「この手順は、どういう理由で決まったのでしょうか。」
「前職で似た作業をしていたのですが、少し違うやり方を試してみてもいいでしょうか。」
「もしよければ、一度だけ別の方法で進めて、結果をご報告します。」
小さく試す
次に、大きな変更ではなく、自分の担当の範囲で小さく試してみましょう。結果が出れば、周りも取り入れやすくなります。
「前の会社では」を言い換える
さらに、前職の名前を出さずに伝えるのも一つの方法です。例えば「別の方法として、こういうやり方もあります」と言い換えます。
提案が受け入れられなかったら
提案しても、受け入れられないこともあるでしょう。その場合は、理由を聞いて、今のやり方に合わせることも大切です。
とはいえ、期待されている役割が「改善」である場合もあります。入社時に何を期待されているかを確認しておくと、提案しやすくなります。期待値のすり合わせ方は、即戦力を求められすぎるときの対処法で紹介しています。
前職のやり方でよくある質問
前職のやり方を全く出さないほうがいい?
全く出さない必要はありません。むしろ、経験を生かすことは期待されています。ただし、伝え方を工夫しましょう。
上司から前職のやり方を聞かれたら?
聞かれた場合は、具体的に答えて構いません。そのうえで、今の職場に合うかどうかは、一緒に考える姿勢を示しましょう。
職場になじめず、提案どころではない
新しい職場で悩みが続くときは、一人で抱え込まないことが大切です。厚生労働省の「こころの耳」では、働く人の相談窓口が案内されています。
提案が通りやすくなる準備
提案をするときは、事前に準備をしておくと受け入れられやすくなります。具体的には、次の点を整理しておきましょう。
- 今のやり方で困っている点
- 新しいやり方で変わること
- 試すときの手間と、元に戻す方法
特に、元に戻す方法を伝えておくと、周りも試しやすくなります。なぜなら、失敗したときの不安が小さくなるからです。
さらに、提案する相手も選びましょう。例えば、まずは直属の上司に相談し、そのうえでチームに広げる流れが自然です。
このように、小さく準備して伝えることで、前職の経験を今の職場に生かしやすくなります。
前職の経験は、中途入社した人ならではの強みです。今の職場のやり方を尊重しながら、少しずつ生かしていきましょう。焦って変えようとせず、まずは周りから信頼される働き方を続けることが近道です。信頼が積み重なれば、自分から提案しなくても意見を求められるようになります。その時に備えて、気づいたことは日ごろからメモに残しておきましょう。
今の職場の良い点にも、目を向けてみましょう。新しい発見があるはずです。
まとめ|中途入社の前職のやり方は伝え方とタイミングが大切
- 前職のやり方を伝えること自体は悪くない
- 提案する前に、今のやり方の理由を確認する
- 3か月目以降に、小さな改善から提案する
- 「前の会社では」を言い換え、質問の形で始める
